労務費の内訳見積

見積書の内訳をエクセルで作る|国の様式例(簡易版・詳細版)の使い方

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建築工事・土木工事の見積書の内訳を、Excelで一から組み立てるのは手間がかかります。国土交通省は、専門工事業者が元請負人(直近上位の注文者)に見積書を作成・提出するときの助けとして、Excelで作られた見積書の「様式例」を、書き方ガイドとあわせて「労務費に関する基準ポータルサイト」で公表しています。様式はあくまで「例」で、取引で使いやすいよう、必要に応じてExcelを編集してもよいとされています。この記事では、様式例の構成と、作るときの順番を整理します。

様式例は「簡易版」と「詳細版」の2種類

ポータルサイトには、専門工事業者向け見積書「様式例」の詳細版と簡易版が掲載されています。書き方ガイドによると、詳細版は「鑑(別紙含む)」と「明細書」で構成され、どちらを使うかは任意で選べます。

比べる点簡易版詳細版
構成鑑「鑑(別紙含む)」と「明細書」
内訳を明示する経費材料費・労務費・法定福利費(事業主負担分)・建退共掛金・安全衛生経費簡易版と同じ5つの経費を、鑑(別紙)に明示
労務費の根拠の示し方鑑に経費ごとの金額を書く明細書で、作業ごとに数量・歩掛・単価まで示す
選び方どちらを使うかは任意どちらを使うかは任意

どちらの版でも、建設業法第20条第1項等により見積書で特に内訳を明示することとされている経費を、鑑(別紙)に明示します。

詳細版のシートと、入れる内容

書き方ガイドでは、各経費を次のシートで計算し、鑑に集める流れが説明されています。

シート入れる内容計算のしかた
シート4 材料費・労務費明細作業ごとの材料と職種、数量・歩掛・単価材料費=数量×単価/労務費=数量×歩掛×単価の合計
シート5 法定福利費・建退共掛金明細保険の料率、建退共の単価法定福利費=労務費×料率の合計/建退共掛金=人工×単価の合計
シート7 安全衛生経費明細対策項目ごとの数量・単価、または経費率積み上げ計上・経費率計上・両者の合算から1つを選ぶ
シート3 見積書合計金額の明細書上記以外の経費(建設副産物処理費など)項目名・単位・数量を自由に記載。「諸経費」とまとめてもよい

シート3の「その他の経費」は、必ずしも全部の内訳を明示しなければならないものではなく、「諸経費」などとまとめて書くことも、個別に費用項目を書くことも、どちらもできるとされています。

Excelで内訳を作る順番

  1. 版を選ぶ:作業の数や、根拠をどこまで示したいかで、簡易版か詳細版かを決めます。
  2. 材料費を入れる:作業ごとに費目・数量・単位・単価を入れ、数量×単価で金額を出します。
  3. 労務費を入れる:作業ごとに職種・歩掛・単価を入れます。歩掛は「労務費に関する基準」を参考に、作業内容・現場条件と自社の施工能力から決めます。
  4. 法定福利費と建退共掛金を入れる:加入している保険の料率を入れ、労務費に掛けます。建退共掛金は、元請等が証紙やポイントを一括購入している場合は計上しません。
  5. 安全衛生経費を入れる:3つの計上方法から1つを選んで計算します。
  6. その他の経費と合計を確かめる:建設副産物処理費などを入れ、鑑の金額と明細の合計が合っているかを確かめます。

行を増やすときの注意

作業や材料が多いと、表の行が足りなくなります。書き方ガイドでは、行が足りないときの手順として次の点が示されています。

  • 表の最も下の行には、行を挿入しない
  • あらかじめ数式が入っている表に行を挿入したときは、数式の入った行をコピーし、「コピーしたセルの挿入」で数式も反映させる

数式のない行を足してしまうと、その行の金額が合計に入らず、鑑と明細の金額がずれる原因になります。行を足したあとは、合計欄の数字が増えたかを必ず目で確かめましょう。

電子で作り、当初と最終の見積書を残す

書き方ガイドは、作成の利便性や、当初・最終見積書の比較のしやすさ、データの蓄積のしやすさから、電子媒体で作ることを勧めています。

また、材料費等を内訳明示した見積書(材料費等記載見積書)を作成した場合は、その見積書と、関係する契約締結前に作成した打合せ記録を10年間保存する義務が課せられるとされています。保存するのは、「当初見積書」(契約締結の前提となる設計図書等が整った後、受注者が注文者に初めて作成・提出する見積書)と、「最終見積書」(契約締結の前提となる見積書)の両方です。版ごとにファイル名を分け、日付を入れて残しておくと、後から比べやすくなります。

なお、様式例は参考として作られたもので、これを使わなかったからといって直ちに建設業法違反になるわけではない、と書き方ガイドに明記されています。各専門工事業団体が業種向けに作る「標準見積書」もあるため、自社の業種の団体の資料もあわせて確かめてください。

よくある質問

国の見積書の様式例は、どこで手に入りますか?

国土交通省の「労務費に関する基準ポータルサイト」に、専門工事業者向け見積書「様式例」の詳細版と簡易版が、書き方ガイドとあわせて掲載されています。

様式例のExcelは、自社用に書き換えてもよいですか?

書き方ガイドでは、様式例はあくまで「例」なので、取引で使いやすいよう、必要に応じてExcelを編集してもよいとされています。

簡易版と詳細版はどう違いますか?

詳細版は「鑑(別紙含む)」と「明細書」で構成され、作業ごとに数量・歩掛・単価まで示せます。どちらを使うかは任意です。

Excelで行を増やすときの注意は?

表の最も下の行には行を挿入しないこと、数式が入っている表に行を挿入したときは数式も反映させることが、書き方ガイドで示されています。

見積書は保存しておく必要がありますか?

材料費等記載見積書を作成した場合は、その見積書と、関係する契約締結前の打合せ記録を10年間保存する義務が課せられるとされています。当初見積書と最終見積書の両方を保存します。

出典

出典の確認日:2026年10月13日

この記事は、国土交通省の公表資料をもとにした一般的な情報です。個別の見積りや契約が法令に照らしてどうかの判断は含みません。制度や基準値は改定されることがあるため、最新の内容は国土交通省の資料でご確認ください。

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